2020年7月12日日曜日

出会いのすばらしさ - 映画「星の旅人たち(The Way)」2010年

 スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラはキリスト教の三大巡礼地の一つです。そこにはイエスの使徒ヤコブが埋葬されたと言われています。キリスト教信者をはじめ、様々な国の人が様々な目的を持ってサンティアゴを目指します。巡礼路はいくつかありますが、最も利用者が多いのはフランスからの「フランス人の道」で、巡礼地まで平均一ヶ月から一ヶ月半ほどかかるそうです。
私は、心の港の皆さんと一緒に、このサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの巡礼を描いた映画「星の旅人たち(The Way)」を鑑賞しました。
 この映画では、主人公トム・エイブリーの息子ダニエルがサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の最中に事故で亡くなったのを期に、トム自身が息子の遺灰と共に、息子がたどり着けなかったサンティアゴを目指すことを決意します。
 私が特にこの映画で印象に残っているのは、出会いのすばらしさです。トムは旅の途中、国籍も旅の目的も様々な個性溢れる巡礼者たちと出会います。初めは他人行儀な会話しか交わさなかったトムと巡礼者たちですが、同じ目的地を目指し、旅を共にしていく中で次第に打ち解け合い、表面上だけの友情が本物になっていく様子が非常に心に残っています。国籍も、年齢も、性別も、考え方や育ってきた環境が異なっていても、それは真の友情には関係のないことなのだと感じました。
また、「一期一会」というように、飛行機で隣になった人、お店や宿泊施設で働いている人、また道で挨拶を交わした人など、日常生活は出会いで溢れています。この映画ではその小さな出会いまで丁寧に描写されており、人との出会いの素晴らしさを再確認することができました。
 さらに、この映画には旅に出ること、特に巡礼の魅力がたくさん描かれていました。いつか私も機会があれば挑戦してみたいと思わせてくれる映画でした。

大野 萌二花




出典:VideoMarket


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