2017年12月3日日曜日

アメリカの「心の港」での三週間



 8月の後半から9月の中旬にかけての3週間、アメリカのニューヨークにある「心の港」に滞在し、そこに住むボランティアの方々と一緒に心の港のミッションを体験してきました。この三週間は言葉では言い表せないほどとても素晴らしく美しいものでした。日本に帰ってきた今、私はエネルギーに満ちあふれ、世界を新たな目で見ているようです。


 滞在中の主なミッションは、ボランティアの方々と一緒に、たくさんのお友達を訪問することです。たくさんの人と出会いました。老人ホームを訪問することもあれば、近所の家庭を訪問することもありました。シェルターという、ホームレスの方々のためのアパートも訪問しました。どのボランティアの方と一緒に訪問するときにも、彼女たちの態度や、人々の心を開き、人との心の距離を縮める上手さに心を動かされました。心の港の訪問によって、たくさんの人々が笑顔になる光景を何度も見ました。心の港のボランティア達は、まさにキリストの弟子として慈しみを与えているようでした。
 また、訪問によって私自身が力をもらいました。私が訪れた人の多くは裕福と言える方々ばかりではありませんでしたが、心に平和を持っているようで、彼女たちの笑顔は美しかったです。何も特別なことも出来ないのに、彼女たちは私の訪問を喜び、大きなハグをくれました。

 毎日、Adorationの時間もありました。Adorationは、一時間ほどチャペルで心を静め神様と対話する時間です。毎朝毎晩お祈りの時間もあり、ミサも毎日授かりました。日本では毎日忙しく、なかなかこのような時間がとれません。しかしアメリカの心の港では、信仰深いボランティアの方々と一緒に、心を落ち着かせて祈る時間を持てました。この時間がとても好きでした。出会った人たちのことや自分の行い、そして神様のことを考える良い時間でした。
 日本の環境はアメリカとは大きく違います。カトリックへの理解を得ることはより難しいです。また、毎日の忙しさで余裕を失い、心に平和を保つことが難しくなることもあると思います。アメリカで持っていた心を思い出すためにも、Adorationのような祈りの時間は、日本に戻ってきてからも大切な時間になりました。


 いろいろ経験しましたが、その中でも一番心を動かされたのは、心の港のボランティアの方々でした。日本を経つ前は、正直不安や恐い気持ちでいっぱいでした。ニューヨークを訪れることが夢だったにもかかわらず、現地に着いたときには不安が大きく、日本に帰りたいとさえ思いました。一人で海外に行くのは初めてでしたし、現地ではもちろん誰も日本語は話せません。3週間やり過ごす自信がありませんでした。
 しかし、現地の心の港の方々のおかげで、私の不安はすぐに消えました。私がアメリカに着いた時、夜だったにもかかわらず、ボランティアの方々は、かわいらしい手作りのケーキを用意して私の到着を待っていてくれました。みんな私をとても暖かく迎えてくれました。そして滞在中もずっと私のことを気にかけてくれました。いつも、「元気?」「疲れていない?」「よく眠れた?」などと声をかけてくれました。
 私にたくさんの素晴らしいことを教え、与えてくれた彼女たちには何度感謝の気持ちを伝えても足りません。
 また、彼女たちの持つ愛の美しさに、心が洗われていくようでした。彼女たちは、無条件に人を愛していました。彼女たちの行いは、まさしくキリストが私たちにしてくださる行いのようです。だから、みんな心の港のことが大好きです。そして、心の港と、その友人達との友情は本当に美しいと感じました。そこには見返りを求めない愛情がありました。
 そして、彼女たちは自分のことよりもまず先に人のことを考えています。彼女たちと過ごして、私も彼女たちのようになりたいと思いました。
 神父様に教えていただいたことで心に残っているものがあります。神様は私たちを一番よく知り愛してくださります。神様は、何が私たちにとって一番良いのか知っており、私たちにそれを与えてくださります。良いことも、困難に思えることも、全て神様からの贈り物です。この話を聞き、私はなぜニューヨークを訪れ、彼女たちと出会ったのか分かりました。

 私に、ニューヨークで特に好きなのは何だった?と聞く人がいます。何度か街を見に行く機会がありましたし、ニューヨークの街はとても美しく大好きです。しかし、最も好きな場所を聞かれれば、答えは間違いなく「心の港」です。最後の日に、ニューヨークシティから心の港に帰ってきたとき、ここが一番良いな、と感じました。三週間滞在した心の港は、本当の家のようで、帰ってくると安心し、守られているような気分になりました。私たちの生活スタイルは、決して裕福なものではありません。しかし、心の港は幸せでいっぱいでした。

 私はニューヨークとそこに住む人達が大好きです。そして「心の港」の皆さんが大好きです。彼女たちとの別れは非常に辛く、涙が止まりませんでした。日本に帰ってきてからもずっと悲しかったです。しかし、彼女たちと過ごした三週間と私の経験は一生のもので決してなくなることはありません。このことが私を慰めてくれました。
 私をサポートしてくださった全ての方々に感謝しています。ありがとうございました。


大野 萌二花





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